【レビュー】トラック・ピスト・固定ギアでパワーメーターを使用する

Garmin Vector 3(両足)を買ったのは先日の日記で書いた通り。これは手持ちの固定ギアバイク(チネリのTipoPista)に取り付けました。

購入目的は固定ギアでパワートレーニング(パワー計測)を行うためです。現在の屋内トレーニングは固定バイク+3本ローラー(グロータック GT-Roller T1)で行っており、これでTSS等を数値化するために取り付けました。

一般サイクリストにまで広く普及したパワー計測機(所謂パワーメーター)ですが、ロードバイク用がメインで、規格が特殊なトラックバイクや固定ギア・シングルスピードバイクで使うには選択肢が少ないようです。

本記事では自分が検討した情報をもとに、固定ギアでパワーメーターを使う選択肢とそれぞれのメリット・デメリットをまとめました。

大きく分類して

  • ペダル型
  • クランク型(ロード用)
  • クランク型(専用)
  • ハブ型

の4種類があります。

ペダル型

今回私が購入したVectorと同じタイプです。計測器が埋め込まれたペダルを取り付けて使用します。メーカーとしては、Garmin(Vector・Rally)、PowerTap(PowerTap Pedals P1)、Favero(Assioma)、Wahoo(Speedplay)、あたりが日本で普及しています。

利点は手軽さです。ペダルを交換してペアリングするだけなので、専用工具や知識が無くても、取り付けてすぐに使用することができます。複数台で使い回すことも容易なので、使用頻度の低いトラックバイクに高価なパワーメーターを常設したくないという人にも向いています。またペダリングのベクトル測定機能を有しているものも多く、固定ギアの特性を生かしてペダリングを矯正したいという方にも向いています。

ネックは価格が高価な点です。片足計測タイプであっても、ロード用クランク型よりも価格が高いです。またペダルという地面に近い場所に位置するので、地面との接触や落車時に壊れる可能性もあります。

それと普通のペダルに比べてスタックハイトが高くなるので、BBハイトが高く腰高気味なジオメトリーのトラックバイクがさらに腰高になります。同時にQファクターも広がってポジションが変わるので、ポジション出しがシリアスな方には気になる点かもしれません。

クランク型(ロード用)

ロードバイク用として普及しているクランク型をシングルスピード化して固定ギアで使用する方法です。Shimano、4iiii、Stagesなど、ラインナップは多数あります。

固定ギアのチェーン規格は厚歯・薄歯の2種類があり、後者のサイズ(3/32インチ_約2.4mm)はロード用8速チェーンとほぼ同じです。クランク型パワーメーターに8速対応のシングルチェーンリングをつけて、チェーンと小ギアに薄歯対応品を使用すれば、パワーメーターを使用しつつ固定ギアを動かすことが可能です。

シングルチェーンリングはWolftoothが多数ラインナップしているので、ギア比の選択にも困らないでしょう。

ちなみに「ロードクランクに厚歯チェーンリングを取り付けるためのアダプター」というニッチな製品が、キワモノ代理店として名高いゼータトレーディング取り扱いで存在しています。

BDop Cycling(ビードップ サイクリング):ロード用PCD110シマノ互換クランクにPCD144トラック用チェーンリングを取付可能なアダプタ


どうしても厚歯が良い方は探してみる価値はあるかと。

この構成のメリットは価格が安い点です。ロード用クランク型パワーメーターは安い物であれば3万円台から購入できるうえ、出回っている量も多いので中古の選択肢も豊富です。ギア側のクランクやチェーンリングを合わせても安価に構築することができるでしょう。手持ちのロード用資材を流用できるのもメリットです。

デメリットはクランク長が変えられないことです。シングルスピードはロードより短めのクランク長を使用することが多いので、ロード用クランクと同じ長さ(例:身長170cmに対してクランク長170mm)では長過ぎます。複数のクランク長を試せないというのもデメリットです。この構成もシリアスなライダーには合わないかもしれません。

またチェーンの規格があっていてもチェーンラインが出ない可能性はあります。このあたりは詳細に調べていないのとトラック規格に詳しくないので未確認ですが・・・。

クランク型(トラック用)

ロード用ではなくトラッククランクにパワーメーターが取り付けられた製品もあります。StagesやSRMから出ているようです。

長さが変えられないこと以外は、ペダル型やロードクランク型の問題はすべて解消されます。ポジションが固まったトラックバイクにパワーメーターを常設するならこれが最も良い選択肢でしょう。

問題は流通数が圧倒的に少ないことです。上記画像のStagesは通販やオークションでも見たことがありません。SRMも存在はするようですが、日本にいくつあるのやら・・・。

ハブ型

手組ホイール用のハブとしてパワーメーターが埋め込まれたものがPowerTapから出ている、出ていました、のようです。

というのも、現在はカタログに存在しないので生産されていない模様です。トラッククランク用よりさらにマニアックな機材ですが、ペダルやクランクなど身体の可動域に関わらない場所なので、ポジションへの悪影響は無く、変更の自由度も高いです。

まとめ

ざっとまとめました。

価格入手性ポジション自由度取付
ペダル型
クランク型(ロード用)×
クランク型(トラック用)×××
ハブ型×

取付や干渉に関して余計なことを考えないで良いので、ペダル型が間違いの無い選択肢で、機材が余っているならクランク型(ロード用)を工夫して取り付けるのがよさそうです。下二つは入手性が絶望的なので必要な方は早めに調査・確保しておいた方がよさそうです。

3本ローラー上で固定バイクをクルクル回すことは、楽しいだけでなくペダリングや体幹のトレーニングにもつながるので、パワーメーターでワット数を可視化し、さらに有意義なトレーニング時間にしていきたいと考えています。

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