【レビュー】POC ポック VENTRAL ベントラル AIR SPIN AF ~個性的なデザインと堅実な作りのハイエンドヘルメット~
スウェーデンのウェアブランドPOCのロード用ヘルメットです。同社の中ではトップモデルの一つで、ワールドツアーのプロチームにも供給されています。
総合評価
- 横幅が広いアジアンフィット
- MIPS付きのM~Lサイズで277gと、安全性を確保しつつ軽量なスペック
- シンプルなベンチレーションホール形状からの高い放熱性
- 後頭部アジャスターの上下位置は着用中の変更が不可能
目次
購入動機
前回購入したヘルメットがそろそろ3年になるということで新しいものを探していました。
・横幅の広いアジア圏メーカー製、もしくはアジアンフィット
・被視認性や暑熱耐性やウェアとの合わせやすさなどを考慮して、色はホワイトやシルバー
・多少重くなっても良いので安全性重視
・サイクリングにも使うので、エアロ性能を最優先したモデルは除外
あたりを要件にして、ちょうどポイント還元が大きくなっていた本製品のMサイズ(周長59~61cmなので実質Lサイズ)を購入しました。ネット通販なのでサイズ感が不安でしたが、インプレを見る限り横幅は相当に広いようなので問題ないでしょう。
ダメだったら未使用品としてオークションに流せば大きな損失にはならないし・・・。
製品情報
受け取りました。重量は実測277g。
超軽量というわけではないですが、構造上重量がかさむMIPS付のヘルメットとしてはかなり軽量な分類でしょう。
外観はツヤありのホワイトで、後頭部の一部がブラック。
MIPS INTEGRAと表記されており、調べてみたところ、MIPS機構とインナーパッドを統合して重量の低減を図った仕組みとのこと。
動かしてみるとパッド部分が若干スライドします。
側頭部にアイウェアホルダー(起毛素材のすべり止め)が付いており、サングラスが引っかかって落ちづらくなっています。
後頭部のバックルダイヤルは小さめですが、ノッチはスムーズ。
バックルの上下位置は4段階変更可能ですがはめ込み式になっており、脱いだ状態でないと位置を変更できません。
重量低減のための構造だと思うのですが、出先で細かく変更したい人には不自由かと。また持ち運ぶ際も嵩張りそうです。
バックルにはゆるみ止めのカバーが付いています。サイズ調整ははっきり言ってしづらいですが、一度決まれば緩むことはなさそうです。それと耳のアジャスターはサイズが大きめ。重そうなのでもうちょっと洗練させてほしいところ。着用した限りの違和感は無いです。
バリやカケは無くロゴも綺麗に貼られており、製造品質は良好そうです。
デザインは好みの問題ですね。流行の大型一眼レンズのアイウェアと合わせて、主張の強いキノコ感を敢えて楽しむのがよさそうです。
使用感
筆者の頭サイズは、
・周長は59~60ぐらい、横幅の広い典型的な東洋人頭
・OGK:M/LもしくはLが最適で、L/XLは大き過ぎ
・GIROとMET:アジアンフィットのMが最適
ぐらいです。どちらかというと市場での選択肢は少ない方。
さて着用感ですが、OGKより若干横幅が狭いもののほぼ違和感なく着用することができました。
かぶった直後は後頭部横側が当たる感覚がありますが大きな支障は無し。長期間・長時間使わないと見えてこない部分もあるでしょうが、ファーストインプレッションとしては大丈夫そうです。
実走した感じ、やはり風抜け・放熱性能に関してはかなり高いという印象です。ベンチレーションホールの向こう側まで抜けて見えるほど大きくシンプルな開口部なので、走行風が直に頭部に当たります。
それと開口口がまっすぐなので、走行中にサングラスを刺すのが容易です。サングラスすべり止めも付いていてホールド感も良いため、夏季のヒルクライムなどでストレスなく使用できそうです。
一般サイクリストの速度域なのでエアロ性能などは体感できないのですが、重量が軽いのもあって、走行上の違和感や不快感はありませんでした。
まとめ
デザインは奇抜そのものですが、スペックやつくりは堅実で使い易いヘルメットという印象です。ただし前述の通りバックル位置を変えづらいので、ツーリングよりもレース系の用途が向いていると感じました。
安全性能は疎かにされていないので、早い速度域での使用にも支障はないでしょう。
あとは特徴的過ぎるデザインのせいで見る人が見たら値段が推し量られてしまうのが一般自転車乗りにはつらいところ。「コイツ、いっちょ前に高価なヘルメット使ってるくせにてんで遅せーでやんのプププ」と思われないように気合いを入れて走りましょう。